サンフラワー

 

キク科 ヒマワリ属

〈別名〉ワイルドサンフラワー、コモンサンフラワー

〈和名〉ヒマワリ

〈生薬名〉向日葵子(こうじつきし・ひゅうがあおいし)

〈学名〉Helianthus annuus   

意味:helios(太陽)+anthos(:花)  annuus(一年草)

〈原産地〉北アメリカ西部

 

サンフラワーは、紀元前3000年には食用として栽培されていたと言われています。

観賞用としてヨーロッパに渡り、ロシアで食用として品種改良され、現在では油や種が世界中で食べられています。

日本には観賞用として伝わりました。

詳しくは歴史】でお話しいたします。

 

神話に登場する太陽神ヘリオスとの関係性など、サンフラワーの【生態】【歴史】【神話】に分けてお伝えしていきます。

 

 

【生態】 

《特徴》

フラワーエッセンス・ハンドブックに掲載のサンフラワーは、原種です。

2007年インテンシブセミナーで撮影された、テラフローラのサンフラワーの写真です。

 

撮影:箭内

 

枝分かれしています。背は高く3.5mくらいになります。花は小ぶりです。

 

アメリカのワイルドサンフラワー(原種)の記事です。

花、葉、茎の姿が大変参考になります。

ヒマワリの原種 ①

http://www.foragingtexas.com/2009/06/sunflower-wild.html?m=1

 

 

以降の写真は園芸品種のものになります。(京都府立植物園は園芸品種のみの為)

 

【花】

キク科の特徴である黄色の舌状花、茶色に見える部分は、小さな無数の筒状花で構成された花です。

雄しべ雌しべが小さな筒状花にあります。

写真:筒状花

 

サンフラワーは虫媒花です。虫はネクターガイドで蜜の場所を見つけます。

ネクターガイドとは、紫外線による蛍光発光した部分で人間には見えませんが、虫には見えます。

詳しくは次回の<虫の目が視る花の姿>でお話しします。

 

サンフラワーは群生で咲いています。自家受粉が難しい為、植える時も複数にします。

 

*無数の小花が集まった筒状花は、美しいスパイラルを描く、ディスクフラワーです。

この小さな花は外から内へ咲いていきます。これはキク科植物の特徴です。

サンフラワーは、沢山の部分から全体を作り上げています。

(2007年インセンシブセミナーより)

 

エケネイシャやコスモス、シャスタデイジーも同じです。

写真:スパイラルの様子 2枚

 

 

蕾は茹でて食べられるようです。

これは<成分・生薬・食用>でお話しします。

 

 

【実】

"種"と呼ばれていますが"痩果"(そうか)です。

油用と食用にされます。

詳しくは<実のヒミツ>でお話しします。

 

 

【茎】

枝分かれタイプと一本立ちタイプがあります。

写真:枝分かれタイプ

 

写真:1本立ちの群生

 

 

茎や咢は毛で覆われています。この毛のことを腺毛といいます。 

キク科植物の体表には必ず多細胞の腺毛があります。

毛の先端からは粘液や分泌物を出し、虫を防ごうとしています。

写真:茎の腺毛

 

キク科はカリウムが多くしっかりとした茎を作ります。

 

*茎が葉を支える機構として、草本型の機構と木本型の機構があること。

そして、その機構の内容がどう違うかなどについて、東京大学日光植物園の舘野正樹先生の回答なさってます。

ヒマワリは草本ですので若いうちは他の草本植物と同じように、草本の機構で葉や蕾、花を維持します。

しかし、花が終わり、実が稔る頃から、木本型の機構を備えるようにねります。

草本型の機構の時は葉などを維持している間は、水が不足するとしおれるのに対して、木本型の維持機構が働き出すと水をやらなくてもしおれないようになります。

(Jsppサイエンスアドバイザー 柴岡弘郎 日本植物生理学会みんなのひろば より引用、抜粋)

 

*キク科の起源地である南米ではキク科の基部にあたる系統があり、それぞれ木本の種が多いですが、日本などでは草本です。
(JSPP広報委員長 長谷部 光泰 日本植物生理学会 みんなのひろばより 抜粋)

 

 茎の断面を見ると、維管束は環状に並んでいます。

中学の一年の理科では、単子葉植物と双子葉植物の比較で、トウモロコシの茎の断面とヒマワリやホウセンカの茎の断面が取り上げられています。

 

そして"ヒマワリは太陽の方を向いている"説について

詳しくは太陽を追う>でお話しします。

 

 

【葉】

*ハート型の葉は大きくても、葉柄が重心バランスをとりながら安定する形状で、面積が広く多くの太陽光を集め、光合成に適しています。

またハート型の葉は付け根の部分がえぐれているので、葉に受けた雨水や夜露が、葉柄を伝わって根元に落ちていきます。

こうして水を集める役割もあるのです。

(面白くて眠れなくなる植物学 稲垣栄洋著より引用、抜粋)

 

写真:葉(上)と葉柄(下)

 

網状脈があります。

 

 

【根】

主根と側根があります。

根が地中深くまで伸びています。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0809/wallpaper/10.shtml

〔ナショナルジオグラフィック 2008年9月号のサンフラワーの根の画像〕

 

 

【フラワーエッセンス】

*太陽のクオリティを見つけるのを手伝ってくれる。

 自分のアイデンティティーをどう世界に放つか。

 

*引っ込み思案な人が世の中で輝きたい時に。

 

*自分はこの世で重要な人物だと、頭でっかちになった人に。(サンフラワーは、枯れてくると頭を下げる。)

 

(2007年インセンシブセミナーより)

 

 

サンフラワーを見ると、明るい気持ちになると思います。

自分の中の輝きが立ち上がるような。

背が高いので見上げると空があります。空には太陽があります。

眩しく輝く黄色の花弁と、人の顔のように横を向いて、悠然と立つ姿に元気づけられるのではないでしょうか。

 

植物観察担当:佐々木 編集担当:箭内

 

サンフラワー第2回へ続きます。