今回と次回で、セリ科の近縁種を2つご紹介いたします。
《アンジェリカ》
セリ科シシウド属 〈別名〉ガーデンアンゼリカ、ワイルドセロリ
〈和名〉セイヨウトウキ( 西洋当帰)
学名はラテン語の「天使」とアークアンジェリカ「大天使」を表します。
(近縁種ハマウド)
アンジェリカは寒さに大変強く、アルプス、ピレネー、ボヘミア、シベリア、グリーンランドの湿原やアルザス地方が元々の分布地でしたが、今ではヨーロッパ他では帰化植物となっています。
種子は精油に、
根茎や種の乾燥粉末はハーブティーにされます。
薬効の素晴らしさから古くより「天使のハーブ」「魔女の霊薬」と言われています。
2メートルになる大型の草で、二年草です。(二年目に花を咲かせます。)
開花期は6月から8月。
花は5花弁、雄しべも5本です。受粉は昆虫の手を借ります。
近縁種のハマウド(浜独活)にも、赤いストライプのカメムシがたくさんいました。
近縁種のハマウドは日本の在来種です。
他にアシタバや当帰も同じ時期に開花しますが、
シシウドは8月から11月です。
人の背より高くそびえる姿はまるで大天使のようです。
植物観察担当 佐々木
《追記》
*アンジェリカは世界的に薬用目的での栽培も多いのですが、ハンガリーではレッドリストに入っています。
*精油は麝香の香りがする香水になります。
*ホルモン分泌の調整作用から"女性の為の朝鮮人参"と呼ばれ、アルコール依存症の治療にも使われます。
*漢方の当帰も近縁種です。
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