「アーモンド」(FESフラワーエッセンス Range of Light レンジ・オブ・ライト・シリーズ)
春、アーモンドが白い花を咲かせます。
京都府立植物園には、三ヵ所にアーモンドの木があります。
アーモンドは、ヨーロッパ、中央・西部アジアで愛される木のようです。
私たち日本人には馴染みのないアーモンドの木についてお伝えしたいと思います。
まずアーモンドの植物学的視点からみてみます。
アーモンドはバラ科、サクラ属(Cerusus)
広義のサクラ属(Cerusus)と広義のスモモ属(Prunus)は同じになります。
杏や桃の近縁種になります。
アジア西部原産。雨が少なく温暖な気候に適し、その後アメリカに導入され、カリフォルニアでは多く栽培されています。
花は花柄が短く、枝に沿うようについています(写真1~3)。
花の色は白、桜色、桃色とあります。
桜などと同じく、受粉すると雌しべは鮮やかなピンクになり、花びらの中央がマジェンタ色に変化します(写真4)。
果実は食用には的さず、仁を炒める、揚げる、焼く、磨り潰すなどして食します。
日本にはアーモンドの実が江戸時代にポルトガルから入り、明治の初期に木が導入されましたが、風土があわず普及しなかったようです。
レンジ・オブ・ライトシリーズの解説小冊子(フラワーエッセンス普及協会発行)に掲載の学名 は、
Prunus amygdalus(プルヌス アミグダラス)。
ウィキペディアではAmygdalus dulucis(アミグダラス デュルシス)。
他にはAmygdalus Communis(アミグダラス コミュシス)
Prunus Communis
Prunus amygdalus
Prunus dulucis
など、すべてアーモンドを指す学名です。
dulucisは「甘い」。
amygdalusは「種の刻み目」や「美しい木」などいくつかの説があります。
Communisは「普通の」という意味です。
アーモンドの木の伝説は、ギリシャの悲恋伝説が二つ、イスラエルのタンホイザー伝説、ポルトガル王室の伝説、旧約聖書にもいくつか登場します。
花言葉も「信実の愛」「希望」など愛される木です。
ゴッホも絵を描いています。
絵を描きながら花を観察すると、桜より大きく、波打つ花びらは星のように平たく五角形になってます(写真1)。
まるで、人が大の字になっているかのように見えます。
受粉した後に濃いピンクに染まっている様子に、血や心臓をイメージしました。
蟻が蜜を求めて花にきています。
可憐な白い花に生き生きとした活力を感じました。
エッセンスの定義にある「ハートの能力」、「物質と生命と光」は、濃く染まったピンクに脈打つような心臓を感じました。
生き生きとした人を表すような花、
青空に向かって開く白い花びらの眩しさ。
桜にはない、おおらかさを感じました(写真2)。
バランスが乱れた状態の「栄養を受けとる能力の不足」は、アーモンドの実の栄養価の高さ、(脂質、ビタミンB2が豊富)と関係しているように思えました。
植物観察担当:佐々木